咲次朗さんの初単行本「埒」を購入したので、感想を書
きたいと思います。

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単行本の内容は、2話構成の作品が1本に加え、1話完結の短編作品
8本が収録されており。

陸上部のエ-スの女子に、彼女が彼氏と身体を重ねていた現場をネ
タにエロ行為を求め、関係を続ける男子が?彼女に対してある疑問
を感じながらも―。「似非主従」

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内定が貰えないという焦りから、男性達に過激な凌辱行為をされる
悪夢の様なモノを見る様になって、悩む女性だったが?その悪夢の
様な内容こそが現実だった!?「泥濘」

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周りからは優れた新人社員だと思われている男性だったが、彼の事
を見つめる1人の女性社員だけは、彼のクズっぽい本性を知ってい
た!?「ずろうにん」

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彼女がおぞましい事件に巻き込まれ、幼児退行すると同時に彼氏で
ある自分に関係する記憶が失われてしまうも、彼女の姉の提案で友
達という事で親睦を深めていき、それなりに仲良くなる一方で、彼
女に対して複雑な感情が―。「肌憶-きおく-」

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結構酷い感じの失恋して落ち込んでいた男性が、ネットの掲示板で
幻影の視覚化や人工精霊と呼ばれる存在を作り出し、会話やそれ以
上の行為が出来るという、都市伝説の様な?噂をもとに

生きてる人間はダメという事から、学生時代に亡くなった女性を作
り出そうと実行したところ、本当にその女性が目の前に現れ(?)
、あの時できなかった関係を実現しようとする―。
「ときこえ」前後編

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父親に性的な虐待を受けて、顔に酷いやけどを負い…その跡を髪
で隠していた女子が、学校でのある出来事を忘れ心の穴を埋める
様に、慰め的な行為を求めて?ある男性のもとに―。
「泥濘る底が優しくて」

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勉強もスポーツも出来る上、イケメンな彼氏がいるなど?周りか
ら羨ましがられている女子だったが、彼氏との関係ではあるモノ
が得られず、公園にいるホ-ムレスの男性のもとに訪れ、貪る様
に男女の行為を―。
「頽廃中毒」

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行為の後に、女性から説教の様な事を言われて荒れる様に酒を飲
んでいた男性の前に、昔付き合っていたものの、行方不明になっ
ていた女性が突然現れ、良い雰囲気になるも?逆レイプの様な行
動から、彼女が別人である事に気が付く!?”ずろうにん”に関連
するエピソードの一つ。「君に咲くダリア」

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借金返済のために、女性達を連れ込んでは?行為の映像を撮影し
て売りさばいていた男性達のもとに、新たな女性が連れ込まれる
も、彼女の身体は傷だらけという訳アリの人物で、厄介な女性を
連れ込んでしまったと思いつつ、住み着いていた女性に相手をさ
せようとするのだが―?

”泥濘”に関連するピソードの一つ。「まよい猫」

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(ずろうにんと君に咲くダリアというエピソードと、泥濘+泥濘る底が優し
くて+まよい猫のエピソードの二つは、同じ世界観で描かれるお話になって
おり、それぞれの登場人物が絡み合う様に二つのエピソードに登場したりし
ます。


という以上の作品で構成された、今回の単行本ですが―。

心に傷を負っていたり、心にぽっかりと穴が開いてるような感じ
で、隙間を埋めるナニかを求めていたりする、ヒロインや男性達
が、慰める様に関係を求める事もあれば

自らの身体を汚すことで欲望の渇きを潤したり、前に進むためや
何かを取り戻すために身体を激しく重ねたりなど。

惹かれ合う男女が愛する行為として行っている場面もあるのです
が、何かを満たす為(一方的な愛情とか)などの代償の様な形で

時には、結構乱暴な感じ(肉体的な行為だけでなく精神面も)に
ヒロインを責め立てると同時に、ヒロインも快楽に溺れる様なケ
ダモノ的な表情や姿で乱れ狂う様は

登場人物達の背景や行為の動機に、関係に至るまでのストーリー
に作品全体の雰囲気が、独特の生々しさや閉塞感の様な重苦しい
雰囲気などがある一方で。

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埒(らち)

コメディ的な要素もあれば、酷い
状況に見えたりするものの、決し
て絶望的ではなく

様々な形の希望や幸せの表現が、
とても印象的&魅力的など

ストーリーがとてもドラマちっく
で大変に惹き込まれると同時に見
応え抜群な事に加え

エロスシ-ンは、ダ-クで中々に
ハ-ドではあるけど、痛々しい描
写やクセの強いマニア的なプレイ
行為や表現は控えめなど

実用性も中々という、個人的にか
なり推したい感じの一冊ですが?

肉体面的な表現以上に、精神面に
関係する内容が結構ヘヴィなので
…人を選ぶ感が…ねw?
(寝取られ的なシチュエーションもあるけど、意外にその辺は思っ
たよりハ-ドな印象は受けないというより、その他がw)

みにくいモジカの子